はせがわクリニック院長 長谷川俊之です。
近年、大腸癌の患者様が急激に増えつつあります。
統計では2015年以降は毎年すべての癌の中で、最も患者数の多い癌になっています。
当院は開院以来、仕事や家事に忙しい方にも大腸カメラを気軽に受けて頂く為に、土曜日・日曜日にも対応してきました。
開院後9か月程度が経過し、これまで約350名の方に大腸カメラを行ってきました。
その中で、当院にて診断した進行大腸癌は5名、早期大腸癌は4名になります。
進行大腸癌の方は、近隣の総合病院・大学病院へ御紹介し外科的治療へと進み
早期大腸癌の方は、当院の内視鏡的粘膜切除術にて全て根治的に治療を行ってきました。
ところで、大腸カメラの前には腸管洗浄(便を全て出して腸をきれいにする)が必要なことを御存じですか?
大腸カメラ自体は20分~30分程度の検査時間ですが、検査前の腸管洗浄は3時間程度かかり(便秘の方は5時間かかることも)
実は、大腸カメラ検査よりも腸管洗浄の方が辛いと感じる方も大勢見られます。
腸管洗浄は、以前より様々な方法が試みられてきましたが
現在は多くの施設で、前日寝る前に刺激系下剤(ラキソベロン・プルゼニド等)を内服し
検査当日の朝から腸管洗浄剤を飲んで、頻回に排便を行うことで
便が徐々に水の様になって、腸管洗浄が完了します。
当院にて御説明し、お渡ししている腸管洗浄剤は4種類あります。
それぞれに特徴があり、患者様の希望に合わせて処方しています。
①モビプレップ(EAファーマ)
現在、多くの施設で使用されている製品です。
便を洗浄する能力が高く、比較的短時間で腸がきれいになるために
当院でもほとんどの方は、こちらのモビプレップをお渡ししています。
味は、濃いポカリスエットに梅味を足した様な感じです。
②ピコプレップ(フェリング・ファーマ)
前日と当日の2回に分けて飲むタイプです。
それぞれコップ1杯分の水に溶かして飲みます。
ピコプレップ自体の飲む量が少なくて、味もオレンジ風に調節されていますが
ピコプレップ内服後に追加して水分を多めに飲まなければなりません。
③マグコロールP(堀井薬品)
ポカリスエットの様な味で比較的飲みやすいですが
腸の洗浄能力がやや低く、現在の主流ではありません。
④ニフレック (EAファーマ)
モビプレップが販売される前までは、多くの施設で出されていた製品です。
モビプレップより飲む量が多く、洗浄する能力がやや劣ります。
ただ、身体にはほとんど吸収されず血中の電解質に影響しないため、当院では透析患者様に勧めています。
当院では、大腸癌で亡くなる患者様を少しでも減らすために最大限の努力を行っています。
便通異常があって心配な方や、御家族に大腸癌の方が居て不安な方
大腸のどんな些細なことでも構いません
是非ともご相談下さい。